客先常駐(SES)でのシステム開発ってしんどいですよね。
やっぱり自社の人に囲まれて開発するのと、現場でお客さんの監視の目にさらされならが開発するのでは働きやすさは違ってきます。
僕はフリーランスエンジニアとして1年くらい客先常駐やったことあります。
また会社員だった時代には逆に常駐エンジニアを採用・マネジメントしながら働いていました。
つまり常駐する立場と受け入れる立場の両方を理解しています。
そんな僕が、客先常駐に向いている人・向いてない人の特徴をご説明します。
またどうして客先常駐が難しいのかを説明していきます。
すこし前提を。常駐エンジニアの種類
詳しい説明の前に、あなたが常駐エンジニアなら次のどの理由でお客さんがあなたを使っているのかを考えてほしいです。
- テストやデータ投入な自社のエンジニアがやりたくない簡単な単純作業の要員
- 自社エンジニアが採用できるまでの人員不足を補うための一時的な要員
- 自社のエンジニアの技術力では足りない部分を補うための技術要員
- 不況になったときにコストダウンするための安全策の要員
- 社員採用がうまくいかないのでその変わりの要員
基本的にこのどれかに該当します。
1だとスキルはまったく身に付きません。この場合は向いている・向いていないに関係なく、その現場は辞めるか、そんな現場に出すような自社は辞めたほうがいいです。
今回、2〜5のある程度、技術力が求められたり、実力が求められる場合の客先常駐に限ってお話をしますね。
客先常駐に向いてないエンジニアの特徴
特徴はこちらです。
- お客さんに囲まれて仕事をすることがプレッシャーに感じる
- 社員のエンジニアと人間関係を作るのが下手
- 客先の誰があなたの仕事ぶりを評価するのか理解していない
- 客先の管理者との信頼の作り方が分からない
※スキル・経歴を盛って入場する、みたいな事故の場合は含まれません。
※あなたのスキルが相手の要求レベルとマッチしていることは大前提です。
これを逆にすると客先常駐に向いているエンジニアになります。
まぁ、言ってしまえばコミュ力を重視するエンジニアが向いています。
逆に技術・開発だけをやりたい人は客先常駐は向いていません!
技術を高めるなら自社プロダクト持っていて、新しい技術の採用に積極的な会社に転職しましょう。
あなたは向いていますか?向いていませんか?
どうしてこれらの特徴が必要になるのかを1つずつ解説します。
お客さんに囲まれて仕事をすることをプレッシャーに感じる
常駐エンジニアは常にお客さんに囲まれていますよね。
だから常に仕事の成果を見張られている、自分の力量を試されているようなプレッシャーを感じたりします。
これに疲れてしまう人がいるみたいですね。
このプレッシャーを感じないか、感じても超えていける力量とメンタルの強さがある人でないと向いていません。
常駐に限らずですが生真面目な人ほど、精神的に辛くなりがちですね。
社員エンジニアとすぐに人間関係を作るのができない
客先の社員エンジニアさんと人間関係を作る能力が必要です。それも早めに。
開発をしていて詰まること・困ることが必ず出てきます。そんなときに周囲の人に相談をしながら解決できるのも客先常駐エンジニアとしての能力です。
人間関係を作れないと仕事にも影響します。もちろん技術力でブチ抜ける人には不要な場合もあると思いますが、それは珍しいケースでしょう。
現場に入場する当日に社員さんと初対面。相手はあなたにほぼ100%興味ありません。
だから自分から話しかけて会話をして信頼を高めないと客先常駐は長続きしません。
そして開発の相談をしても嫌がられない関係値を作ることが必要です。
そういう能力がある人が客先常駐のエンジニアに向いています。
- 出社時に明るく「おはようございます!」を言えていますか?
- 社員さんの名前と何を担当している人なのかを把握していますか?
- お昼ごはんに行くのを誘えていますか?
- あなたの服装に清潔感はありますか?
こういう基礎を揃えておくと人間関係が作りやすくなりますよ!
客先の誰があなたの仕事ぶりを評価するのか理解していない
あなたとの契約を更新する/終了するの判断をする人は誰なのかを把握できていますか?
※たいていは契約前に面談をした社員さんです。
この人があなたの仕事に満足しているかどうかが、客先常駐がうまくいくかどうかの最大のポイントです。
- 把握ができない
- 把握してても、その人の満足度を考えて仕事をしたくない
もしあなたが、↑に当てはまるなら客先常駐に向いていないと思います。
結局、評価する人の満足度で決まりますからね。
社員の開発エンジニアと客先常駐のエンジニアでは、管理職が見る目線がぜんぜん違う
管理職から見たときの、社員エンジニアと客先常駐エンジニアの違いを知っておきましょう。
これを知ったときに、自分はこのまま客先常駐がいいのかを考えるとよいと思います。
社員のエンジニア
エンジニアとして成長できているか・戦力になっているかを管理職は見ています。
たとえば何かミスをしたとき。コードレビューでおかしなコードを見た時には「あいつ、◯◯を理解してないな。解説して理解してもらおう」と考えます。
エンジニア側の立場でいえば、より価値の高いエンジニアになるために管理職からサポートしてもらえます。
これは大きなメリットですね。
客先常駐のエンジニア
人間だからミスはあるのは理解している。でもプロとして雇っているんだから完璧に近い仕事をして当然だよね。と思っています。
管理職が見ているのは成果だけです。
もし何か失敗したり、よくないコードを見つかった場合には
「え?お前は開発のプロでしょ?高い金払って雇ってんのに何やってんの?こんなレベルならお前いらないんだけど。」と思われます。
言葉はキツいですが、こういう失敗に対して厳しい目線で見てきます。
逆にいい仕事をしても、管理職は始めからそれを期待しているので「当然だよね」と思われて評価されにくいです。
それでも甘くない環境で仕事をするからこそ、身に付くスキルもあると思います。
技術的な成長というよりも、こういった技術以外の部分ではいい修行の場になるはずです。
- 短期間に相手との信頼を作る仕事のやり方
- 信頼を積むためのコミュニケーションのとり方
- 相手がウザく感じない技術的な提案のやり方
だから僕は客先常駐を決して否定はしていません。
あなたの求めるスキルで選ぶといいと思う
客先常駐に限らず、大まかに言えばエンジニアがとる選択肢は以下のようになると思う
- 広く浅く技術力を身につけるなら受託開発の会社
- 仕事上のコミュ力を付けるなら客先常駐
- 特定の分野を深く身につけるなら自社開発の会社
重ねていうけど、テスターとかデータ登録とか保守だけの単純作業としての客先常駐は、そもそも選んではいけないですよ。採用されるのは簡単だし、手っ取り早く収入にはなるけれど将来の自分を苦しめるからね。
未経験だとよく「未経験のタグを外す」みたいな言われ方として客先常駐をする人もいるみたいだけれどね。自社のサポートがしっかりしてないと客先にボコボコにされて苦しむこともあるから慎重に考えてください。
未経験者こそ、できれば最初は受託か自社開発でしっかり技術力を積み上げることを大切にするべきだと思います!